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国際連携食料健康科学専攻専攻は、国立大学の機能強化事業の一環として、筑波大学が国立台湾大学とボルドー大学と共同で開設した修士課程の学位プログラムです。当専攻は地球規模のさまざまな課題のなかでも人間の生命に直接影響を及ぼす食と健康に関する課題の解決に向け、国際的かつ分野横断的に活躍できる高度職業人の育成を目指しています。

当専攻の最大の特徴は、4つのセメスターで構成される2年間の修士課程のうち、第1セメスターは筑波大学、第2セメスターは国立台湾大学、第3セメスターはボルドー大学へ赴き、各大学の入学試験で選抜された3大学の学生が同じ宿舎で生活しながらともに学ぶことにあります。筑波大学で選抜された学生は、台湾では国立台湾大学の学生証を、フランスではボルドー大学の学生証を携え、各大学の正規の学生として学び、当専攻を修了する際には3大学による国際通用性のある学位が授与されます(3大学の学長が署名した学位記が授与されます)。なお、第4セメスターは各自の目標に向かって、3大学に限らず、世界のどこへでも赴くことができます。

当専攻では、食と健康に関する地球規模課題の解決に取り組む高度職業人の育成を目指しているため、講義や実習のみならず、アントレプレナーシップ・トレーニングや企業などでのインターンシップ、キャリアパス・セミナーなど実践的な科目を取り揃え、学生はそれらを履修することが求められます。幅広い科目を履修することで、サイエンスと社会のニーズを橋渡しすることができるようなスキルを身につけていきます。

近年、プラネタリーヘルス(Planetary Health)という考えが浸透してきています。環境が人間の健康に影響を及ぼすことはこれまでの歴史のなかで広く知られていますが、地球温暖化や気候変動をはじめとする地球規模の環境変化は今後これまでに人類が経験したことがないレベルで起きると予測されており、今日においてもすでに人間を含む多様な生物に大きな影響を及ぼしていることから、地球の健康を守るという考えが提唱されました。当専攻はそうした時代に沿ったユニークな学位プログラムといえます。私たちは、地球規模のさまざまな課題に食と健康の観点から取り組む意欲的な学生をお待ちしています。


国際連携食料健康科学専攻
専攻長 市川 政雄