メッセージ | Message

国立台湾大学生物技術研究センター 所長 李心予 | HSINYU LEE

メッセージ

 こんにちは。国立台湾大学(NTU)生物工学センター所長の李心予です。NTUを代表して、筑波大学の新しい国際大学院共同学位プログラムの開設にお祝い申し上げます。

 国立台湾大学(NTU)は、研究と教育の両面で筑波大学との協働を続けてきました。特に、生物・医科学・農学分野では、多くの協働教育活動を行ってきました。例えば、TV会議システムを利用した細胞生物学およびがんの生物学の遠隔講義、生物系サマープログラムへの学生の相互派遣(毎年2週間)、医学系デュアルディグリープログラムの確立、筑波大学が運営するヒューマンバイオロジー学位プログラムへの参画などが挙げられます。

 今回の新しい学位プログラムは、より連携大学との繋がりを重視したプログラムです。台湾の生物資源やフィールドを生かした実習、国立台湾大学での研究室活動、台湾の企業へのインターンシップ、国立台湾大学の授業履修などを行ってもらうことになります。

 連携大学の学生の皆様が、当学位プログラムを通して台湾において学習を進め、真の国際的人材になることを期待します。

インタビュー

――NTUのユニークで魅力的な点はなんですか?

台湾大学 筑波大学

 NTUのユニークなのは、まず、その歴史です。NTUは1928年に日本で7番目の帝国大学である台北帝国大学として設立されました。NTUは現在、11学部、54学科、103大学院研究科、4研究所から成り立っています。学生総数は3万3000人を超え、世界有数の一流大学にランクされています。私たちは日本の大学と親密な関係にあり、NTUと筑波大学は2007年に大学間の連携をするに至りました。

 2つ目は、人材の輩出です。NTUはグローバルレベルの業績を挙げた有能な人材を多く生み出してきました。例えば、台湾民主主義の父と称されるDr. Teng-hui Lee、ノーベル化学賞を受賞したDr. Yuan-Tseh Leeなどです。NTUは文系、理系を問わず台湾、世界の両方をリードしています。

 3つ目は、天然資源です。NTUは台湾島の約1%を占める広大な実験用森林を持っています。台湾は亜熱帯から熱帯地域に位置していますが、冬には雪が降る程の高山(~3000m)が多くあります。したがって、台湾島は生物多様性に富んでおり、生物資源が豊富です。そのため、医療用生物資源や食糧管理を研究するのに適しています。さらに、東南アジアには発展途上国の公衆衛生を研究するのに適したNTUの野外実験場があります。

――本プログラム(GIP-TRIAD)にNTUからどの分野が関わっていますか?

李心予

 生物学、医学、農業に加えて、生物資源と公衆衛生がこの分野に新たに関わっています。

――NTUは何故、本プログラム(GIP-TRIAD)に興味を持ったのでしょうか。

国立台湾大学

 私たちは、日本との更なる協力関係の構築を望んでいます。日本の大学の中で、筑波大学は常に学生教育のため革新的なアイディアを導入し続けており、私たちは筑波大学と共にこのアイディアの実現を望んでいます。このプログラムで興味深いのは、最高の国際的人材育成への挑戦をするところです。私たちは筑波大学との協力を通じてこのプログラムを確立し、グローバルな高等教育システムを改革し、その先頭に立つことができると確信しています。

――台湾の学生はこのプログラムに興味を持っていますか?

李心予

 もちろんです。これまで私たちが協力して取り組んできた教育面の試みが示しているように、多くの学生が筑波大学に魅力を感じています。私たちはNTUの学生がNTUと筑波大学のジョイントディグリーを得るためにこのプログラムに参加することを期待しており、それこそがカリキュラムを巧みに編成している目的なのです。さらに、学生たちはこのカリキュラムで一般的スキルを学ぶと同時に、権威ある私たちの学部で専門的スキルを学ぶ機会を得ることができます。